食べものが好きだ。

食に興味を全振りした若造サラリーマンによる食ブログ

【外食日記】一茶(白川郷)

こんにちは。

 

長野・岐阜旅行もついに最終日に突入ということで、最終目的地・白川郷に到着しました。

 

ここの合掌造りの街並みは今やあまりにも有名で、民宿もなかなか予約が取りづらい状況にある昨今。

今回はありがたいことに、半年前に予約していただいた人気宿のご相伴にあずかる形で、民宿一茶さんに伺いました。


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玄関に入ってまず山頭火よろしくといった風貌の狸の剥製が目に入る。

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イヌ科の動物になにかと思い入れのある当方としては若干センチな気分になりつつも、それが醸す田舎特有の郷愁に襲われます。f:id:shmz_foodlover:20191103044226j:image

紺地に白太文字のある種粋なのれんの奥から、いかにもな民宿の女将さんが優しくお出迎えしてくれました。

 

通されたお部屋は和室6畳二間が襖で仕切られた和室。合掌造りらしく、天井が高く広々としていて、畳育ち族にとっては心から寛げる雰囲気です。

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ご覧の通り、部屋と外は襖一枚と縁側を挟んでさらに雨戸が一枚が設けられている程度なのに、なんというか全く肌寒さを感じないのには驚きます。

もちろんエアコンは入ってるんだけど、保温性というか温度の活用に無駄がないのはやっぱり旧人の知恵ありきだと思うんですよね。

昔の人はすごいねえなんぞと話しつつ、一息ついたところで街中を散策。夕飯のためには腹ごなしは不可欠ってんで、靴下が濡れるのも厭わず雨の白川町に繰り出したのでした。

 

いちいちというか流石というか、あらゆる合掌造りの建物が観光に流用されているあたりにも行政努力を感じます。

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町の中心部に位置するこちらの広場は、渋滞問題を解消するために移転した駐車場の跡地なんだとか。移転決定までの間には緩和効果測定を含めた実証実験が幾度となく行われたそうです。

白川郷に限った話ではないけれど、観光業を盛り上げようとするこういう取り組みを聞くとなぜか胸にジンとくるのって、ぼくだけでしょうか。

町中には台風接近中の報によるものか日本人観光客はほぼ皆無で、外国人観光客が目立ちます。

今回の逗留先も我々の他には台湾からの品のよろしいご夫婦一組のみで、怪我の功名というべきかかえってゆっくり過ごすことができました。

 

案の定靴下もぐっちゃぐちゃになり身体も雨で冷え切っちまったし、ときたらやっぱりひとっ風呂恋しくなるのが人情ってやつですよね。

てなわけで、せっかくだからと夕食前の腹ごなしも兼ねて町内の日帰り温泉に行ってみました。

天然温泉白川郷の湯

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※写真は公式サイトより拝借

 

写真は撮ってないし泉質も忘れたけど、こちらは食事も宿泊もできる複合施設なので、これはこれで楽しめるんじゃないでしょうか。

庄川を眺めながら頂ける露天風呂もあったりするので、いわゆる民宿のお風呂だけでは物足りないなんて方にもおすすめです。

 

なんだか白川町観光協会の回し者みたいになっちゃったところでサッパリして宿に戻ると、時刻は頃合いの18時。囲炉裏のある広間に通され、いよいよ晩ごはんの時間が始まりました。

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まず目に飛び込んできたのはん、んああああああしゅごいいいぃぃと嬌声を上げずにいられない質実剛健然としたお膳。

何から伝えればいいのかわからないまま時は流れてゆくレベルで品数豊富な中、なんとか記憶している献立は以下の通り。

  • じゃがいもの煮っころがし
  • 姫竹、蕗、ぜんまい、おかひじきの煮物、蕗味噌
  • 煮豆
  • お新香
  • 舞茸の白和え
  • 大根のなます
  • イワナの塩焼き
  • 冷奴
  • さつまいも、大葉、春菊、舞茸の天ぷら
  • 飛騨牛の朴葉味噌焼き

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事前プロファイリングを疑うほど好物ばかりが立ち並んだことによるテンション爆上げ中につき、若干個人補正かかった感想になりますが予めご了承ください。

 

■姫竹、蕗、ぜんまい、おかひじきの煮物、蕗味噌
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山の幸って言葉がこれほど似合う料理も珍しいですね。春先にとれた山菜を加工して秋から冬にかけて食らうという山あいの知恵が一皿に詰まっております。

いかにも飯の友といった味わいで、久住昌之風に言うとウマすぎてマズイ。余談ですがご飯お代わりしちゃったのは自然の摂理。

 

■さつまいも、大葉、春菊、舞茸の天ぷら
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宿の夕食を演出するのはやっぱり油物。パフォーマンス的観点でも重要な役割を担う天ぷらは地の野菜を揚げてあります。

民宿の天ぷららしく冷めていて、料理屋のそれとは全く異なる存在です。が、冷めてるくせに油臭くないし、逆に強く感じる甘みが不思議と美味しい。

冷めても美味しい天ぷらって民宿ならではですよね。それが民宿補正かどうかを追求するのは野暮ってもんです。

※あと春菊って書いたけどこれ多分春菊じゃない。写真から何かわかる方いらっしゃいましたら教えてください。

 

イワナの塩焼き
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山間部に来たら忘れちゃいけないのがイワナの塩焼き。天ぷら同様冷めてはいるけれど、これも旅情としてプラスに捉えなければならないポイント。確かな存在感でお膳を演出してくれるその存在は重要です。

ちょっと行儀が悪いけど、身をほぐしてご飯に乗せてお茶と一緒に流し込むと、じんわり旨味が全体に滲み出てきて美味しいですよ。

 

飛騨牛の朴葉味噌焼き
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食事の初っ端におかみさんが火をつけてくれた炮烙がなにやらじぶじぶ啼きだしたのでナンジャラホイと開けてみると、見るからにメインディッシュな厚切り飛騨牛が出てきました。

滲み出る牛の脂がみりんの効いた甘めの朴葉味噌と絡んで、この上なくコッテリ豊かで間違いない味わい。肉質もスッと歯が入るほどに柔らかなまさしく日本人好みで、とっても美味しく頂きました。

山間部の主菜というと、ともするとエンタメ性に欠けるケースが散見されますが、こちらは卓上で焼くライブ感といい、牛肉の心踊るビジュアルといい、インパクトは申し分ないものでした。

 

というわけであれだけ沢山あった夕食もめでたく完食。

一品一品の味付けはやはり濃いめながら、すべて自然由来なのでまったく嫌味がありません。ついついご飯が進んでしまうのは考えものですが、罪悪感を忘れてグイグイ飯を食らう快感を味わえるのは民宿の醍醐味ということにしておきたい。

ともあれ大変美味しい晩ごはんをごちそうさまでした。

 

なんだかお腹はいっぱいになったけれど食べるのに夢中だったもんだから少々飲み足りないなってことで、道中の道の駅で購入した秘酒を試してみることに。

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時刻は確か20時くらいだったと記憶しておりますが、心地よい満腹感と寝酒のおかげで農家のような脅威的な就寝時間のもと、夜は更けていきました。

 

 

あくる朝、もはやパターン化されている旅行時の我々の早起き散歩ですが、今回も例によって起床時刻から朝食時間までは1時間ほどの余裕があるということで、町内を徘徊してみました。
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毎年10月にはどぶろく祭りの舞台になるというこちらの神社にお参り。


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早朝の神社って、空気が澄んでいるせいか神々しく感じますよね。奈良時代創建という歴史ある神社であれば尚更です。

特に信心深いわけでもない我々一行もなんとなく神聖な気分にひたりつつ、白川郷の地が積み重ねてきた歴史に想いを馳せたのでありました。

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町中プラプラしていれば不思議と時間も程よくなってきて、そこはかとない空腹感も漂い始めたということでいそいそと宿に戻ります。

 

そしてもって、用意万端整っていた朝ごはんがこちら。
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  • 白米
  • 野沢菜のお味噌汁
  • 田作り
  • コゴミのゴマ汚し
  • ゼンマイの山かけ
  • かぼちゃとひじきの煮付け
  • 朴葉味噌
  • スクランブルエッグ
  • お新香

 

どこまでツボを抑えてくるんや…

派手さもないし特筆すべき技術が使われているわけでもないのに、和食育ちの心を揺さぶるラインナップが旅行でいい加減疲れてきた胃袋には有り難い。

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名物の朴葉味噌も、前夜に頂いた時の牛肉の引き立て役から味噌そのものを味わう主役へシフト。ご飯の友としてはむしろこちらの方が都合がよく、まさしくよくぞ日本人に生まれけりというお味でした。

※言うまでもなく、白米の生物学上必要摂取量の上限を超過したエピソードは割愛させていただきます。

 

というわけで、朝ごはんも大変美味しく頂きました。

あらためて、地のものをこれでもかと食べさせてくれるところに、旅情を感じざるを得られません。

 

なにより、これだけの品数を用意してもてなしてくれるのが嬉しいですよね。

ご馳走の本来の意味はあちこち材料探しに奔走し、手を尽くして客をもてなすことであるというお話を、いつか某グルメ漫画の21巻で読んだけれど、今回のお食事はまさしくそれ。

できる限りの手段を尽くした心遣いが心に染みる、そんなお食事、ひいてはお宿でした。

 

長野・岐阜旅行は今回の白川郷・一茶さんで〆となりますが、有終の美にふさわしいお宿に伺うことができました。

本投稿をお読みいただき、もし興味が湧いたようでしたら、ぜひ行ってみてくださいね。

 

それでは、今回も駄文をお読み頂き、

ありがとうございました。

 

 

続く

 

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