食べものが好きだ。

食に興味を全振りした若造サラリーマンによる食ブログ

【外食日記】すし北野(牛込神楽坂)

こんにちは。

 

前回投稿から少し経ってしまいましたが気を取り直して第N回目の投稿です。

 

私事ながら当方結婚させていただきまして、入籍当日くらい少し豪勢にいこうじゃないかってんで、お寿司を頂いて参りました。

それも、せっかくの記念日だしチェーン店でもないだろうと、これまでも何回か伺っている、牛込神楽坂すし北野さんに伺うことに。

すし北野 - 牛込神楽坂/寿司 [食べログ]

 

神楽坂、と名がつくために歓楽街に位置するものと思われがちですが、牛込神楽坂は少し市ヶ谷よりの閑静な住宅街です。

まさかこんなところに寿司屋なんざありゃしないだろうと思いながら歩いていると、モノトーン調に白地で店名が書かれたのれんがかかった、やたらと瀟洒な建物に出くわします。

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実は少し前に初めて伺ったのも、住宅街にあって異様な存在感を放つというギャップについぞ惹かれてのものでした。

 

若干高めのお寿司屋さん独特の入りづらいあの雰囲気に尻込みしつつも勇気を出して入ってみると、中には白木の一枚板に合わせた白基調のすっきりした内装が広がっております。

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白木のカウンターをはじめ外観からの印象を裏切らない粋な内装にウキウキしながらも、ちゃんとしたお寿司屋さん特有のどこかキリッとした空気感に、3回目の訪問にもかかわらず少しだけ緊張。

わいなんぞがこんな良いお店に来てええんか…大将お顔、ちょっと険しくない…?なんて若干ネガモードに入りかけていたところに大将のおかけなさいという優しい一言で我に帰り、ウダウダしても始まらないってんでビールをお願いしました。

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お酒が入って漸く落ち着いて、改めて店内を見回してウーンやっぱり素敵だね、なんて連れと話していたところに大将から好き嫌い有無の確認が入ります。(蛇足ですがこちらの大将、とっても優しいのでご安心ください。)

勿論なんでもいただきます、とお伝えして、めでたくコースがスタート。今回は予約時に6000円のおまかせ握り10貫コースをお願いしました。

ラインナップとしては他に12000円のつまみ付きコースがありますが、以前そちらをいただいたところボリュームが尋常でなかったこともあり、今回は控えめに握りコースをチョイスしました。


そうして始まったコースの構成は以下の通り。 

  • 先付: 衣かつぎ、菊花とほうれん草のお浸し

  • 真鯛の昆布締め

  • 小肌

  • アオリイカ

  • 赤貝

  • アジ

  • 赤身づけ

  • 車海老

  • 海胆とイクラの小丼

  • 中トロ

  • 穴子

  • 玉子

  • ヒラメ

 

■先付: 衣かつぎ、菊花とほうれん草のお浸し

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季節を感じさせてくれるお通しで、まずはビールを片付けます。坊主頭に剥かれた里芋がちょこんと鎮座しているのがカワイイ。

 

真鯛の昆布締め

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皮切りは程よく締められた鯛。馴れた白身魚特有の歯ごたえとじっくり引き出された旨味が程よく舌に馴染んでおいしいです。

 

■小肌
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小肌を食べれば職人の腕がわかる、なんて生意気なことは言いたくないけれど、あだやかな酸味が小肌のクセを中和してくれて非常に食べやすく、北野さんのお寿司の確かさを感じさせてくれます。

 

アオリイカ
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さっくりした歯ごたえが歯に心地よいアオリイカ。古くなった甲殻類の嫌な臭いは一切せず、すっきりといただけます。イカが大好物の連れにはこの日一番だったらしいです。

 

■赤貝
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秋も深まる中にあって頂いたこちらの赤貝。

存外に香りも良く、コリコリした貝ならではの歯ざわりもしっかりと讃えておりました。

 

■アジ
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個人的に旨味を最も感じたネタがこちらのアジ。「味が良いからアジ」の面目躍如ですね。脂が乗っているのに少しも下卑たところはなく、青魚特有のあの香りもしっかり残っていて、魚好きにはたまらない一品でした。

 

■赤身づけ
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ここで江戸の伝統ネタ、赤身のづけをいただきます。煮切りは甘みの少ない生醤油に近いタイプで、マグロの鉄分とぴったり。力強い味わいに江戸前の仕事を感じます。

 

■車海老
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おいしい車海老てのは良いお寿司屋さんでしか食べられない、という持論があるのですが、今回もとっても美味しくいただきました。マキエビか車海老かというジャストサイズの車海老を口いっぱいに頬張ると決して大味でないのに強い旨味が広がります。

 

■うにといくらの小丼
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江戸前のネタではないとは言え、やっぱりお寿司屋さんに来たら頂きたいのがウニとイクラ。言わずもがなの美味しさに悶絶します。丼仕立てなのは、握れないものは握らないという江戸の心意気ゆえでしょうか。

 

■中とろ
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江戸時代には人々に見向きもされなかったというトロ。現代人のぼくは大好きです。脂は全くくどくなく、比喩でなく口の中でさらりと溶けます。説明不要の美味でした。

 

穴子
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握りコースのトリを飾るのは、いわばこちらのスペシャリテ穴子です。

握る直前に笹の上で炙るおかげで、笹の爽やかな香りと香ばしさがプラスされ、非常に芳しい一品に仕上がっております。口に含んだとたんにはらりとほどける様は、さながら穴子の理想形ですね。

 

■玉子
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玉子はいつでもどこでも優しい。

店によって味の違いはあるけれど、やっぱり優しい玉子はこの上ないデザートです。

 

■ひらめ
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玉子はデザート…とかいっておきながら、ついつい追加しちゃったヒラメ。秋も深まったことでうっすらと脂が乗って参りました。淡白ながらもじんわり旨味が湧き出る様は白身魚の醍醐味ですね。

 

■鯖
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秋といえば鯖ですね。

あえて薄造りにしてから握ることで口溶けがよく、はらりとほぐれるシャリと絡んで旨味がより広がります。程よい酸味がクセを和らげてくれて、非常に整った一貫でした。

 

ここまで追加を含めて都合12貫。

お酒も頂きつつだったので、程よい満腹感ということもあり、ここらでお開きと相成りました。

 

今回も、大変美味しくいただきました。

それにしても伺うたびに驚くのが、寿司の理想型では?と思わせるような流線型のキレイなフォルム。サイズも小ぶりなので、女性でも無理なく召し上がれます。

 

うまい寿司は口中でほぐれる、なんて使い古された言い回しではありますが、こちらのお寿司はまさしくそれ。ネタとシャリが一体化して、おいしいお寿司だなあとしみじみ感じます。


個人的にツボなのは、何においても決して押し出しすぎないところ。上述の店外観や内装にも通じるものがあるが、キッチリやるべきことを、またそれ以上のことをやりつつも口には出さない、まさしく粋な空気がここにはあります。


粋な空気が恋しくなったら、またおいしいお寿司が食べたくなったら、是非伺いたいと思います。次は冬ごろかな。

 

おかげさまで良い記念日になりました。

重ねて感謝申し上げます。

 

それでは、本日も駄文をお読みいただき、

ありがとうございました。

 

続く

 

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【外食日記】一茶(白川郷)

こんにちは。

 

長野・岐阜旅行もついに最終日に突入ということで、最終目的地・白川郷に到着しました。

 

ここの合掌造りの街並みは今やあまりにも有名で、民宿もなかなか予約が取りづらい状況にある昨今。

今回はありがたいことに、半年前に予約していただいた人気宿のご相伴にあずかる形で、民宿一茶さんに伺いました。


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玄関に入ってまず山頭火よろしくといった風貌の狸の剥製が目に入る。

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イヌ科の動物になにかと思い入れのある当方としては若干センチな気分になりつつも、それが醸す田舎特有の郷愁に襲われます。f:id:shmz_foodlover:20191103044226j:image

紺地に白太文字のある種粋なのれんの奥から、いかにもな民宿の女将さんが優しくお出迎えしてくれました。

 

通されたお部屋は和室6畳二間が襖で仕切られた和室。合掌造りらしく、天井が高く広々としていて、畳育ち族にとっては心から寛げる雰囲気です。

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ご覧の通り、部屋と外は襖一枚と縁側を挟んでさらに雨戸が一枚が設けられている程度なのに、なんというか全く肌寒さを感じないのには驚きます。

もちろんエアコンは入ってるんだけど、保温性というか温度の活用に無駄がないのはやっぱり旧人の知恵ありきだと思うんですよね。

昔の人はすごいねえなんぞと話しつつ、一息ついたところで街中を散策。夕飯のためには腹ごなしは不可欠ってんで、靴下が濡れるのも厭わず雨の白川町に繰り出したのでした。

 

いちいちというか流石というか、あらゆる合掌造りの建物が観光に流用されているあたりにも行政努力を感じます。

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町の中心部に位置するこちらの広場は、渋滞問題を解消するために移転した駐車場の跡地なんだとか。移転決定までの間には緩和効果測定を含めた実証実験が幾度となく行われたそうです。

白川郷に限った話ではないけれど、観光業を盛り上げようとするこういう取り組みを聞くとなぜか胸にジンとくるのって、ぼくだけでしょうか。

町中には台風接近中の報によるものか日本人観光客はほぼ皆無で、外国人観光客が目立ちます。

今回の逗留先も我々の他には台湾からの品のよろしいご夫婦一組のみで、怪我の功名というべきかかえってゆっくり過ごすことができました。

 

案の定靴下もぐっちゃぐちゃになり身体も雨で冷え切っちまったし、ときたらやっぱりひとっ風呂恋しくなるのが人情ってやつですよね。

てなわけで、せっかくだからと夕食前の腹ごなしも兼ねて町内の日帰り温泉に行ってみました。

天然温泉白川郷の湯

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※写真は公式サイトより拝借

 

写真は撮ってないし泉質も忘れたけど、こちらは食事も宿泊もできる複合施設なので、これはこれで楽しめるんじゃないでしょうか。

庄川を眺めながら頂ける露天風呂もあったりするので、いわゆる民宿のお風呂だけでは物足りないなんて方にもおすすめです。

 

なんだか白川町観光協会の回し者みたいになっちゃったところでサッパリして宿に戻ると、時刻は頃合いの18時。囲炉裏のある広間に通され、いよいよ晩ごはんの時間が始まりました。

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まず目に飛び込んできたのはん、んああああああしゅごいいいぃぃと嬌声を上げずにいられない質実剛健然としたお膳。

何から伝えればいいのかわからないまま時は流れてゆくレベルで品数豊富な中、なんとか記憶している献立は以下の通り。

  • じゃがいもの煮っころがし
  • 姫竹、蕗、ぜんまい、おかひじきの煮物、蕗味噌
  • 煮豆
  • お新香
  • 舞茸の白和え
  • 大根のなます
  • イワナの塩焼き
  • 冷奴
  • さつまいも、大葉、春菊、舞茸の天ぷら
  • 飛騨牛の朴葉味噌焼き

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事前プロファイリングを疑うほど好物ばかりが立ち並んだことによるテンション爆上げ中につき、若干個人補正かかった感想になりますが予めご了承ください。

 

■姫竹、蕗、ぜんまい、おかひじきの煮物、蕗味噌
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山の幸って言葉がこれほど似合う料理も珍しいですね。春先にとれた山菜を加工して秋から冬にかけて食らうという山あいの知恵が一皿に詰まっております。

いかにも飯の友といった味わいで、久住昌之風に言うとウマすぎてマズイ。余談ですがご飯お代わりしちゃったのは自然の摂理。

 

■さつまいも、大葉、春菊、舞茸の天ぷら
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宿の夕食を演出するのはやっぱり油物。パフォーマンス的観点でも重要な役割を担う天ぷらは地の野菜を揚げてあります。

民宿の天ぷららしく冷めていて、料理屋のそれとは全く異なる存在です。が、冷めてるくせに油臭くないし、逆に強く感じる甘みが不思議と美味しい。

冷めても美味しい天ぷらって民宿ならではですよね。それが民宿補正かどうかを追求するのは野暮ってもんです。

※あと春菊って書いたけどこれ多分春菊じゃない。写真から何かわかる方いらっしゃいましたら教えてください。

 

イワナの塩焼き
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山間部に来たら忘れちゃいけないのがイワナの塩焼き。天ぷら同様冷めてはいるけれど、これも旅情としてプラスに捉えなければならないポイント。確かな存在感でお膳を演出してくれるその存在は重要です。

ちょっと行儀が悪いけど、身をほぐしてご飯に乗せてお茶と一緒に流し込むと、じんわり旨味が全体に滲み出てきて美味しいですよ。

 

飛騨牛の朴葉味噌焼き
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食事の初っ端におかみさんが火をつけてくれた炮烙がなにやらじぶじぶ啼きだしたのでナンジャラホイと開けてみると、見るからにメインディッシュな厚切り飛騨牛が出てきました。

滲み出る牛の脂がみりんの効いた甘めの朴葉味噌と絡んで、この上なくコッテリ豊かで間違いない味わい。肉質もスッと歯が入るほどに柔らかなまさしく日本人好みで、とっても美味しく頂きました。

山間部の主菜というと、ともするとエンタメ性に欠けるケースが散見されますが、こちらは卓上で焼くライブ感といい、牛肉の心踊るビジュアルといい、インパクトは申し分ないものでした。

 

というわけであれだけ沢山あった夕食もめでたく完食。

一品一品の味付けはやはり濃いめながら、すべて自然由来なのでまったく嫌味がありません。ついついご飯が進んでしまうのは考えものですが、罪悪感を忘れてグイグイ飯を食らう快感を味わえるのは民宿の醍醐味ということにしておきたい。

ともあれ大変美味しい晩ごはんをごちそうさまでした。

 

なんだかお腹はいっぱいになったけれど食べるのに夢中だったもんだから少々飲み足りないなってことで、道中の道の駅で購入した秘酒を試してみることに。

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時刻は確か20時くらいだったと記憶しておりますが、心地よい満腹感と寝酒のおかげで農家のような脅威的な就寝時間のもと、夜は更けていきました。

 

 

あくる朝、もはやパターン化されている旅行時の我々の早起き散歩ですが、今回も例によって起床時刻から朝食時間までは1時間ほどの余裕があるということで、町内を徘徊してみました。
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毎年10月にはどぶろく祭りの舞台になるというこちらの神社にお参り。


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早朝の神社って、空気が澄んでいるせいか神々しく感じますよね。奈良時代創建という歴史ある神社であれば尚更です。

特に信心深いわけでもない我々一行もなんとなく神聖な気分にひたりつつ、白川郷の地が積み重ねてきた歴史に想いを馳せたのでありました。

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町中プラプラしていれば不思議と時間も程よくなってきて、そこはかとない空腹感も漂い始めたということでいそいそと宿に戻ります。

 

そしてもって、用意万端整っていた朝ごはんがこちら。
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  • 白米
  • 野沢菜のお味噌汁
  • 田作り
  • コゴミのゴマ汚し
  • ゼンマイの山かけ
  • かぼちゃとひじきの煮付け
  • 朴葉味噌
  • スクランブルエッグ
  • お新香

 

どこまでツボを抑えてくるんや…

派手さもないし特筆すべき技術が使われているわけでもないのに、和食育ちの心を揺さぶるラインナップが旅行でいい加減疲れてきた胃袋には有り難い。

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名物の朴葉味噌も、前夜に頂いた時の牛肉の引き立て役から味噌そのものを味わう主役へシフト。ご飯の友としてはむしろこちらの方が都合がよく、まさしくよくぞ日本人に生まれけりというお味でした。

※言うまでもなく、白米の生物学上必要摂取量の上限を超過したエピソードは割愛させていただきます。

 

というわけで、朝ごはんも大変美味しく頂きました。

あらためて、地のものをこれでもかと食べさせてくれるところに、旅情を感じざるを得られません。

 

なにより、これだけの品数を用意してもてなしてくれるのが嬉しいですよね。

ご馳走の本来の意味はあちこち材料探しに奔走し、手を尽くして客をもてなすことであるというお話を、いつか某グルメ漫画の21巻で読んだけれど、今回のお食事はまさしくそれ。

できる限りの手段を尽くした心遣いが心に染みる、そんなお食事、ひいてはお宿でした。

 

長野・岐阜旅行は今回の白川郷・一茶さんで〆となりますが、有終の美にふさわしいお宿に伺うことができました。

本投稿をお読みいただき、もし興味が湧いたようでしたら、ぜひ行ってみてくださいね。

 

それでは、今回も駄文をお読み頂き、

ありがとうございました。

 

 

続く

 

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【外食日記】Bistrot Chez Bois(飛騨市)

こんにちは。

 

またまた長野・岐阜旅行の続編です。

なにしろ2泊3日の旅行で頂く食事が毎度のごとく印象的だったもんだから、これは都度、記録に残しとかなければならぬと半ばスケベ心で書き留めさせていただきたい所存です。

(ちなみにあと1、2回ほど続編を予定しております)

 

というわけで今回は、宿坊を発ち白川郷へ向かう道中にある飛騨市の住宅街にひっそりと佇むBistrot Chez Bois(ビストロ シェ・ボワ)さんに伺いました。

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な、なんでこんなところに…!?

と思わず聞きたくなっちゃうほど周囲の人通りは少なく、また鉄道駅からもだいぶ離れている模様。

 

実は7年ぶりに連れてきてもらったんですが、そのことからも長きにわたってこの場所で活躍され続けてきたことが窺えます。


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看板犬のココくんが元気よくお出迎えしてくれます。

動物のいるお店ってのはしばしば人を選びますが、犬好きな我々としてはむしろ大歓迎で心なしかテンション上がり気味。

 

予報では台風が最接近する同日の12時ごろに伺うと、当たり前というべきか客は我々のみでした。

静かなのはありがたいけど、こうなるとかえって活気のある雰囲気の中で飲食したくなっちゃうのは身勝手ってもんでしょうね。

 

この日頂いたのは、以下の通りオードヴル2皿のあとにメインディッシュ、デザートと続く計4皿のランチコース。

  • 豚肉のサラダのガレット包み、地物のキノコ、鴨のテリーヌ
  • 玉ねぎのキッシュとスパニッシュオムレツ 黒オリーブとトマトのソース
  • 国産鶏むね肉のクリーム煮 バターライス添え
  • クロモジのシフォンケーキ カスタードソース、季節のフルーツ

 

後述しますが、都心では考えられないような費用対効果に驚かされます。地物を使い、うまく工夫もしてあって、観光客の心にも地元客の心にもしみじみと響くお料理ばかり。

 

そんなシェ・ボワさんの、舌にも心にも楽しい料理たちの詳細は以下に続きます。

 

■豚肉のサラダのガレット包み、地物のキノコ、鴨のテリーヌ
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まずは前菜の一皿目といいながら、肉料理の盛り合わせが出てきました。

 

写真奥は、火を通した豚肉と絹さやをフレンチドレッシングで和えたフィリングを、ガレット生地で包んだもの。豚肉とドレッシングの脂分が生地のバター香と合わさって、豊かな味わいです。塩気が控えめなところに脂分が重なると冗長に感じることが多いけど、セロリの葉のようなピリッとした辛味がダレた舌を引き締めてくれるのが有り難い。

 

次に手前に添えられた、鴨の首の皮でレバーや胸肉を巻き込んだ、いわば鴨のソーセージを頂きます。どこをどうカットしても肉塊に出くわすレベルで鴨の存在感がものすごく、全力で鴨肉の旨味がぶつかってくる感じ。一切れで色々な部位を味わえるのも功名というべきか楽しいポイントでした。

 

上述二品にガルニチュールとして、地元で取れたナメコやイグチといったキノコのマリネが添えられております。ひねたようなキノコ特有の匂いは肉と合わさると不思議と燻製香のように感じられ、むしろ旨味が際立ちます。

 

■玉ねぎのキッシュとスパニッシュオムレツ 黒オリーブとトマトのソース
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一見似ているようで個性が異なる二種類のお料理を盛り込んだ、前菜の二皿目です。

 

卵で作った生地という共通項はあるものの、調理法による個性の違いが如実に現れております。

丁寧に火を通した玉ねぎ特有の甘さとバターが卵と絡んでどこまでも優しいキッシュと、ごろごろ入った野菜とともにオリーブオイルで焼き上げた香ばしいトルティージャが対照的で楽しい一皿でした。

 

グリーンオリーブの酢漬けをペースト状にしたソースがピリッと刺激的で、優しさ一辺倒に待ったをかけているところもこの前菜が凡庸に終わらない一因と感じます。

 

■国産鶏むね肉のクリーム煮 バターライス添え
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地元で取れたキノコがたっぷり入った自家製クリームソースで煮込んだ鶏むね肉に、これまた自家製のバターライスが添えられた、食事とメインを兼ねたと思しきメインディッシュ。

西洋では米を野菜として扱いがちながら、こちらはしっかり主食を意識した米使いなので日本人にも馴染みやすいのではないでしょうか。

 

じっくりゆっくり処理された鶏むね肉の火入れ加減はレアの一歩手前程度。そのため全くパサつかず、あくまでしっとりしております。クリームソースは薄力粉を使用せず、玉ねぎとクリームの甘みと滋味が効いたモッタリしていないシンプルタイプ。

なんというかコクを必要最低限に備えてあって、ランチのメインとしては適度なボリューム感が嬉しいですね。

 

■クロモジのシフォンケーキ カスタードソース、季節のフルーツ
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東京にいるとなかなかクロモジを食用する機会ってのはないと思います。

あの高級爪楊枝の材料として知られるクロモジの芳香をアクセントに焼き込んだ自家製シフォンケーキに、フルーツの酸味と程よい甘さを讃えたカスタードソースを絡めて頂きます。

 

クロモジの爽やかな香りがカスタードソースで甘くなった舌を引き締めてくれるおかげで、フルーツ自体の味もちゃんと楽しめます。具材の一つ一つがくっきりと味わえるようにといった気遣いの感じられるデセールでした。

 

この充実した内容で価格は2500円でした。

品数でいえばそこまで突出していなさそうだけど、一つ一つのポーションが大きいので実際に頂いくと想像以上の充足感。

 

飛騨ならではの料理を出そうという気概も感じられて、個人的にはとっても素敵なレストランと思います。

 

立地が立地だけにおいそれと再訪はし難いのが残念ですが、長野県を旅行する折にはまたぜひ伺いたいですね。

 

それでは、本日も駄文をお読みいただき、

ありがとうございました。

 

長野・岐阜旅行はまだ続く

 

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【外食日記】兄部坊(善光寺下)

こんにちは。


前回申し上げた通り、長野・岐阜旅行の続きでございます。

 

日本を震撼させた台風19号が最接近した九月の某三連休の真っ只中

一歩間違えれば暴挙とも言える強硬策も、結果としては大変充実した2泊3日でした。


初日の夢のような松茸づくしに続いて、今回はさらに長野県北部へ移動して、訪れたのは訪日客にも人気の国宝・善光寺


それも今回は宿坊に泊まって精進料理を頂くという貴重な体験をさせていただきました。


そもそも宿坊とは、宿泊施設を備えたお寺のことで、本来の用途は僧侶や参拝客の宿泊施設。

それが最近では、観光客の行動志向が多様化しつつあることに対応する形で、多くの宿坊で一般客の受け入れが行われるようになりました。


例によって、善光寺近辺にも多くの宿坊が存在する中で、今回伺った兄部坊(このこんぼう)さんは128年の歴史を持つ由緒正しき浄土宗の宿坊とのこと。

名前に冠する「兄」の字は、他宿坊にとってのまとめ役という意味合いも持つそうです。

 

ちなみに、現地の方によると、境内には浄土宗の大本願天台宗大勧進の2つが位置していて、それぞれが無宗派である善光寺を守る役割を担っているんだとか。周辺の宿坊はそれらに由来したものであるため、いずれかの宗派に二分されるんですね。

こうした興味深い話が伺えるのも宿坊ならではの楽しみかもしれません。

 

ということで、まずはやっぱり善光寺さんにお参りをすることに。

よくテレビで見るあのバカでかい本堂も、間近で観るとなお大きく、なんだか圧倒されます。

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※なお、本堂内は撮影禁止ですのでご注意ください。

 

こちらは境内と仲見世の境界にそびえる山門の上から眺めた景色。500円の山門拝観券を購入すると登れます。

善光寺は檀家を持たないせいか、やたらと観覧料が発生します。別にいいけど世知辛いね
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同じ目線から見た本堂は下から見上げたときとはまた違った風情を放ちます。
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山門を後にして突入した仲見世通りは一大観光地・浅草寺もかくやと言わんばかりに賑わっていて、土産物屋さんやカフェといった、日本の寺社仏閣にはお馴染みの類の店々が立ち並んでおります。
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そのまま歩き続けていると、程なくして今回の逗留先、兄部坊さんに到着しました。
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周辺には前述の通り、数多くの宿坊が並んでいるものの、赤く染まった朱門を構えるのはこちらだけ。

歴史の古さを物語るものなのかは不明ですがスペシャル感に心が踊ります。

 

宿坊っていうと禅寺のような、あくまで質素でいかにも修行然とした内装を想像していましたが、掃除は行き届いていてそこはかとないお香の香りがそれらしさを感じさせるものの、一般的な旅館のような趣だったのは意外でした。

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部屋に着くや、善光寺のいわれからお朝事と呼ばれる朝のお坊さんたちの読経修行の見学体験、また宿坊のしきたりなどについての説明を受ける我々一行。

 

中でも特に、宿坊はあくまでお寺に併設された宿泊施設でしかないため、食事や滞在時間を始めとした各々ルールについては各坊で定められたものに従わねばならぬとのこと。

まれに旅館並みのサービスを期待する観光客でもいるのか釘を刺された格好となりましたが、これも宿坊ならではの経験と言えるんじゃないでしょうか。

 

そんなこんなで気を引き締めつつ時間を潰していると、お昼にあれだけ松茸尽くしを頂いたのに長旅のせいか不思議とお腹がすいてきた時刻は17時20分。

さきほどの説明にもあった、夕食のお時間です。

 

なんだか宿坊にありながら暴食じみた食欲に若干の罪悪感モウシワケナサを覚えますが、そんな中で気を取り直して頂いたのは以下の通り。

  • 生麩、椎茸、切干大根、絹さやの炊き合わせ
  • 胡麻豆腐
  • 鰻豆腐
  • じゃがいものなます
  • 湯葉あんかけ
  • 米ナスの田楽
  • そば
  • 炊き込みご飯、がんもどきのお吸い物
  • あんずの葛寄せ

 

精進…っ!!

と思わずつぶやいちゃいそうなレベルで充実したラインナップ。

当然、観光客向けにアレンジされているのかもしれませんが、どれも手を尽くされた心のこもったお味かつ見た目もきれいで、まさしく精進料理の名に恥じないお料理たちでした。

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精進料理の感想をつらつら述べるなんぞ無粋もいいところですが、単なる感想ということでね、ご了承いただければと思います。

 

■生麩、椎茸、切干大根、かぼちゃ、絹さやの炊き合わせ

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その名の通り、具材をそれぞれ出汁で炊き、一つの椀に盛り込んであります。

あくまで薄味であるおかげで、生麩の食感や椎茸の旨味、かぼちゃの甘みなど素材本来の味にかえって集中することができ、なんというか外連味のない味。

道理をわきまえた精進料理のスタンスを、まず認識させてくれた一品でした。

 

胡麻豆腐
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某料理漫画のせいでお坊さんの作る料理の代表というイメージがあるんですが、聞くとやっぱり定番とのことで頂いた胡麻豆腐。

丁寧にゴマを擦らねば得られぬ自然な甘さともっちりなめらかな食感が、舌にも喉にも気持ちよく、心にも美味しいです。ちょこんと添えられたわさびが舌を引き締めてくれてくれるのも嬉しいですね。

 

■鰻豆腐
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豆腐を擦って湯葉で巻き、油で揚げて鰻に似せたこちら、海苔が鰻の皮目をうまく表現していて、見た目は鰻そのもの。

食べてみるとそこまで鰻っぽくはないものの、 蒲焼き風の濃いめの味付けが相性良く、むしろ豆腐それ自体を味わう料理であることに気づきます。あくまで精進料理でありながら、スタミナ料理の代表格でもある鰻に似せるとかいう遊び心を感じさせてくれて、楽しい料理でした。

 

■じゃがいものなます
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なかなか耳慣れぬ料理名ですが、その名の通りじゃがいもの千切りで作ったなますです。

軽く炒ったじゃがいもを甘酢と合わせ、菊花をそえたものとのこと。

しゃくしゃく軽い歯ざわりが穏やかな酸味と合わさって口の中を爽やかにしてくれる、良い箸休めです。下拵えの際に水にしっかり晒したおかげかじゃがいも独特のデンプンくささは無く、小さな小鉢ながらも手間を感じた一品でした。

 

湯葉あんかけ
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擦った山芋を敷き詰めたところに湯葉を並べ、昆布出汁と葛で作ったあんを注いで蒸しあげた茶碗蒸しです。

とろとろの湯葉と山芋の喉越しを楽しんでいるところに、優しい甘さのあんが絡んでどこまでも優しい味わい。

その甘味は砂糖のそれのようなはっきりとしたものではなく、葛や昆布出汁から滲み出る、根菜をじっくり煮出した時のような自然な甘味なので一切のくどさがないのは驚きです。

 

自身を振り返ってみると度々メリハリのある味を是とするような発言をしているけれど、こうした心に染みる滋味深い味わいも大事にしなければいけないなあと痛感させてくれたお料理でした。

 

■米ナスの田楽
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油と茄子の相性の良さは広く知られているところですが、中でも茄子の田楽ときたら鉄板ですよね。

今回頂いたのは信州には珍しく麹が多めの白味噌に柚子を練りこんだ柚子味噌田楽です。トロトロの茄子の甘みを柚子の香りが引き締めてくれて、最後までダレずに美味しく頂けます。

 

例によって、茄子の甘さを引き出すことに注意が払われているため田楽味噌の甘さは控えめ。

全体に言えることですが、足し算ではなく引き算の味付けを徹底されているところは料理好きとしては勉強になる一面ですね。

 

■そば
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あらかた料理も出尽くした頃、土地柄か更科系の白いお蕎麦が運ばれて参りました。薬味にクルミが添えられているところが信州らしい。

蕎麦の香りは強くなく、しゃっきりした歯ごたえは更科系ならでは。

癖がなく喉越しも良いせいか、満腹に近い状態でもペロリと頂けちゃいました。

 

■炊き込みご飯、がんもどきのお吸い物
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最後のお食事として炊き込みご飯とお吸い物を頂きました。いわゆるシメに該当しますが、和会席でいうところの小吸物よろしくといった具合の薄味なので、胃にも優しい平和な締めくくりと相成りました。

 

それでも、油揚げやがんもどきなど、植物性たんぱく質が一定のパンチを与えてくれるので物足りなさは全くないあたりは流石ですね。

付け合わせの信州名物野沢菜がピリッと舌を引き締めてくれて、食べ終わった後のそこはかとない満足感を演出してくれてます。

 

■あんずの葛寄せ
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食後には甘みが欲しくなるのは精進を重ねた坊主も例外ではないようで、最後の最後にデザートが運ばれて参りました。

あんずを甘いシロップで煮たところに葛を加えて固めた、いわば和風ゼリーです。

それでもやはり甘過ぎず奥ゆかしい味わいが、いい加減満腹な胃袋には嬉しいところです。

 

精進料理って正直質素で、全然腹にたまらないんじゃないの、っていう思い込みがあったんですが、とんでもないですね。

めちゃめちゃお腹いっぱいになります。

 

いくら優しい素材使いで身体に優しいとはいえ、こんだけ頂けば満腹もいいところ。身動き取れないほどの満腹感に襲われる様は、まさに凡夫たる悲しさってところでしょうか。

 

食べ過ぎた満足感と罪悪感がせめぎ合っている時刻は19時を回ろうかという頃、聞くところによると、20時からお坊さんによる説法体験ができるとのこと。

 

有難いお札もいただけるっていうし、せっかくだからってんでしばし部屋で休んだのちにみんなで移動し、いざ説法体験。

 

もともと無信心なうえに満腹状態に陥っているぼくにとってはお坊さんの長いお話を正座で聞き続けるというのは地獄というほかなかったけれど、50分間を耐えきってお札を頂いたころにはなぜか不思議な達成感を感じておりました。

 

罰当たりというほかない自分を恥じつつ、お風呂もいただいて気づけば爆睡。

充実した眠りの中、夜は更けていったのでありました。

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そうして迎えた翌朝の起床時間はなんと午前5時。

正気か?と思いつつ叩き起こされて向かったのはこれも善光寺ならではといえるお朝事体験。f:id:shmz_foodlover:20191021212310j:image

 

毎朝行われる浄土宗の住職にあたる上人様を始めとしたお坊さん方の読経を、間近で見学することができる宿坊ならではの体験です。


お経の意味はまったくわからないけど、早朝独特の厳かな雰囲気の本堂で、それも間近で聞くお経はどこか心を落ち着かせてくれました。

起きた当初こそ、寝かせろや…と思わなくもなかったけれど、今では宿坊に滞在される方にはぜひお勧めしたいと思います。

 

お朝事も無事終わり宿坊に戻ると、待ちに待った朝ごはんの準備が整っておりました。

 

昨晩の苦行もとい説法体験と今朝のお朝事が効いているとはいえ、不思議とお腹はすっきり空いていて、精進料理の底力を思い知らされます。

(旅行のたびに言ってるので精進料理のおかげかどうかは微妙だけど気にしない)

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  • 白米
  • ほうれん草の味噌汁
  • 野沢菜胡麻和え
  • 香の物
  • 山芋の千切り
  • 昆布の佃煮
  • 車麩の煮物
  • ふろふき大根

 

主食の白米と一汁三菜、さらに香の物と、和食の基本に忠実な構成にホッとします。

どれも薄味の優しい味付けなのは夕食同様ですが、少しだけ郷愁をより感じるのは、ちっちゃい時から食べてきたような素朴なおかずのおかげでしょうか。

心が温まる嬉しい朝食でした。

 

■車麩の煮物
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焼き麩の一種であり、肉厚なことでも知られる車麩を戻してから昆布出汁で炊いた煮物です。

ずっしりとお肉のような食べ応えもありつつ、噛み締めると美味しいおつゆが溢れてきて薄味ながら食べ応えがあり、優しいラインナップの中にあってパンチが際立ちます。

 

■ふろふき大根
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柚子の香りがする味噌だれを、米のとぎ汁で炊いた大根にかけたお馴染みのふろふき大根。

普段はお酒のつまみでいただくことが多いですが、朝ごはんのおかずとして頂くと荒れた胃に染み入るような、根菜独特の滋味が有難いですね。

 

朝ごはんも美味しく残さず頂いて、いい加減お腹は一杯に。

またもや食べ過ぎて己の学習能力のなさに辟易しつつも、そこはかとない満足感に包まれつつ、宿坊に長居は無用ということで早々に兄部坊さんを後にしたのでした。

 

初めての精進料理体験、ひいては宿坊体験は想像以上に楽しめたひと時でした。

精進などと考える暇もなく、心からお料理を楽しんでしまったのは反省点ですが、それだけ今回頂いた料理たちはエンタメ性にも富んでいた。

 

精進料理というと、肉を使わない料理という程度の認識しかなかったけれども、今では万事森羅万象を慈しみ、敬意を払い、真摯に向き合うというところにコンセプトの核があるんじゃないかなとも思ったりします。

あの手この手で素材の良さを活かそうとしているところからも、そんな印象を受けました。

 

もしも今回、本投稿をお読み頂き、興味が湧いたようでしたら、ぜひ宿坊に泊まって精進料理を召し上がってみてくださいね。

 

ただその際は、あくまで宿坊は宗教施設であり、旅館ではない旨、くれぐれもご留意ください。

 

それでは、本日も駄文をお読み頂き、

ありがとうございました。

 

長野・岐阜旅行記はまだまだ続く

 

 

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【外食日記】丸光園松茸山(上田市)

こんにちは。

 

日本中で猛威を振るった台風(もといゴミクズ野郎)の爪痕が残りまくっている今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

被災に遭われた皆様方には心よりお見舞い申し上げます。

 

本来であれば冬に備えた恵みの季節たるこの時期に、史上最大レベル規模の台風が飛んでくるとかいう信じがたいニュースを耳にしたのが10月頭。

 

例によって、不安に駆られた人々で溢れかえった諸SNSたちが軒並み祭り状態に陥る中、当方もゴミクズ野郎の動向が気になって眠れない夜が続いておりました。

 

というのも、直撃が予想された10月11日からの三連休まさにその時に、長野・岐阜旅行計画を立てていたから。

 

ふざけんなよブチ●すぞ

という誰も見ていない悪態をつきつつも天気予報から察するにどうやら中部地方北部は直撃は免れそう、という一筋の光明を見出しました。

 

加えて、長らく楽しみにしてきた予定がポッと出の天候不順に潰される気持ちといったらやるせないことこの上なく、しかも心に大きな傷を残しかねぬ…ということで、若干の不安はあるものの、

決行…っ!と相成りました。

 

そして迎えた出発当日の11日、意外にも雨は降っておらず、晴れ間も見えてピーカンではないけれどまずまずの天気。

上陸予報時間はまだ後とはいえ、地獄で仏的シチュエーションにひとまず安堵したのでした。

 

今回の旅行は、長野県上田市から岐阜は白川郷にかけてを車で巡る山間ドライブツアー。

旅行というだけあっていろいろなアクティビティが予定されていたものの、一行はみな食べるの大好きということで、秋の山の味覚を味わうのも大きな楽しみの一つ。

 

そんな中で、まず最初に訪れたのがこちら。

長野県上田市の山奥に佇む丸光園松茸山さんに伺いました。

丸光園松茸山 - 下之郷/和食(その他) [食べログ]

 

日本人であれば、松茸を腹一杯食べてみたい…と一度は夢みたことがあるんじゃないでしょうか。

そこまでではなくても、なんとなく高級品といえば松茸!なんてイメージを持つ人、少なくないと思います。

 

ここ丸光園松茸山さんは、そんな夢をリーズナブルに実現させてくれるお店ではないでしょうか。

なにせ、こちらのお店が位置する鴻之巣山は、いたるところにアカマツがニョキニョキ生えている、別名松茸山

 

豊富な産出量を誇る産地ならではの価格設定で松茸尽くしを味わうことができるまさに天国のような場所ですね。

なお、当然ながら9月中旬〜11月の期間限定ですのでご注意ください。

 

そんな丸光園さんで頂いたのは以下の通り。

  • 松茸の茶碗蒸し
  • 松茸の土瓶蒸し
  • 松茸の天ぷら
  • 焼き松茸
  • 松茸鍋
  • 松茸のお吸い物
  • 松茸のホイル蒸し
  • 松茸ご飯

 

字面だけですべての松茸信者が圧倒されそうな勢いです。

シーズンもたけなわなためか、テーブルを見渡すと、形の立派な松茸が惜しげもなく使われていて、なんだかバチが当たりそうな気すらしてくる…そんな中で、ついに我々の卓でも松茸祭りが始まりました。

 

■松茸の土瓶蒸し

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初っ端からこれかいなと良い意味で出鼻を挫かれんばかりに、土瓶蒸しが出てきます。

突き出しという概念を度外視しつつ、松茸それ自体の香りを印象付ける一品目でした。

 

普通土瓶蒸しといえば、カシワやら銀杏やら様々な具材で香りを増強するものですが、こちらのそれは松茸のみによる一本勝負。

にも関わらず、むせ返るような松茸の芳香が楽しめるあたりはさすがの一言ですね。

 

■松茸の茶碗蒸し
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同時に運ばれてきたのがこちらの茶碗蒸し。

土瓶蒸し同様、具は松茸のみのド直球な一品。

 

若干の巣が入っているところも飽くまで素朴で、むしろ山奥の食堂ならではのご愛嬌。

料亭でいただくそれのような出汁の細やかさはないけれど、優しい卵液が松茸を引き立ててくれて優しい味わいが嬉しいです。

 

■松茸の天ぷら
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きのこと油ってめっぽう相性がいいってのはだれもが認めるところと思いますが、今回は松茸を天ぷらで頂いちゃいました。

きのこの王様・松茸をみんな大好きな天ぷらで作るというだけでテンション爆上げ必至。

 

大ぶりな個体に歯を入れるとサクサクの衣の中から松茸の芳香が飛び出してくるのがわかっていてもやっぱり嬉しいですね。

 

ぶっちゃけ松茸というと香り先行で、ともすると物足りなさを感じることもなくはないのですが、油分が食べ応えを補って、新鮮な味覚を与えてくれました。

 

■焼き松茸

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そうこうしている間に、鉄板からチリチリと音が聞こえ始めました。焼き松茸が食べ頃を迎えた合図です。

 

これまた大ぶりな松茸を、鉄板で焼いて醤油をつけて食べるシンプル極まりないこちら。

俗に松茸の涙と呼ばれる水分が表面に浮き出てきたところを頂きます。

 

焼くと香りがより強調されて、香り松茸味シメジの面目躍如といったところでしょうか。

シャクシャクした感触と強い香りで、ああ今まさに松茸を食ってるんだなあということを実感できる一品でした。

 

■松茸鍋
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もうすでに数年分の松茸を食べたのと違いますかと誰もが感じ始めたタイミングで、店員さんがそっと運んできたインパクト抜群のこちらはその名も松茸鍋。

 

甘辛の割り下が注がれた浅めの鍋に、ネギと糸こんにゃくを敷き詰め、カシワの胸ともも肉を重ね、そしてその上にはトッピングというには膨大すぎる松茸のスライスがどっさり。

 

圧倒的ビジュアルにギャーという嬌声というか悲鳴が上がる中、鶏肉に火が通ったら食べ頃。すき焼き風に溶き卵を絡めて頂きます。

 

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すき焼き風の味付けやカシワの出汁のお陰でコッテリした味わいなのに、それでもなお、健気なまでに本来の香りを讃える松茸ってのは大したキノコですね。

鶏肉やその他ザクの量が松茸を味わうには少々過剰な気もしましたが、とはいえ目先が変わって、とっても美味しく頂きました。

 

■松茸のホイル蒸し

松茸の波状攻撃はいまだとどまることを知らぬとばかりに、アルミホイルに包まれた謎の物体が出てきました。

 

なんじゃらほいとおもむろに開けてみると、圧倒的な芳香とともに現れたのがこちら。
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理想の松茸を絵に書けといわれたらこうなるんじゃないかしらというと少々大げさですが、傘の開き具合といいサイズといい、この日一番と思しき個体が蒸し焼きにされた、こちらのホイル焼き。

 

傘の先端に切れ目を入れて、熱さを堪えつつ手で裂きながら頂きます。
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醤油と酒を振りかけて蒸し焼きにしたことで適度に水分が抜け、凝縮された旨味と香りはこの日随一。

なおかつシャクシャクと歯ごたえ良く、松茸の醍醐味を味わえるという点では、焼き松茸に勝るとも劣らないかもしれません。

 

■松茸ご飯とお吸い物
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松茸尽くしときたらこれを食べずして終われないのが、やっぱり松茸ご飯。

 

料理で余った松茸の切れ端や軸をこれでもかとぶち込んで薄味で炊き上げられており、そこはかとなくプンプン漂う松茸の香りが楽しめます。

 

つまるところ日本人には米の飯とはよく言ったもので、ご飯をグイグイ飲み込む快感は主食白米族にはたまらないですね。

 

山奥の食堂よろしくおかわりを促されますが、ここまでいただけば流石にお腹はハチキレそうということで、同じくおかわり自由の松茸のお吸い物を啜ってお開きとなりました。

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ここまでブログ記事を書いている間にも松茸香りが思い起こされるほど、松茸を食べまくったひと時でした。

たびたび申し上げた通り、数年分の松茸を喰らい尽くしたかのような圧倒的満足を覚えます。

それでいて、お値段は11000円のリーズナブルかつ明朗会計。

 

趣向を凝らした料理とは言えないけれど、雰囲気のざっかけなさや値段の手頃さも手伝って、都内の料理屋さんで頂くそれよりも気兼ねなく、心の底から松茸を楽しむことができる場所だと思います。

 

正直、しばらく松茸は食べなくていいかな…と思わなくもないけれど、松茸欲が再燃した折には是非また伺いたいと思います。

 

それでは、今回も駄文をお読みいただき、

ありがとうございました。

 

旅はまだ始まったばかりということで、長野・岐阜旅行続編に続く。

 

旅行

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食べ歩き

松茸

丸光園

 

 

 

【外食日記】Ostu(代々木公園)

こんにちは。

 

実はわたくし、少し長めのお休みをいただいていたのですが、先日、とうとうというかやっとというか、遂に社会復帰を果たしました。

 

もとが仕事をしていないと落ち着かない性分なもので、自分で望んだ休暇にもかかわらずなんとなくソワソワして、何も届くはずのない会社メールをチェックしてみたりする毎日。

こんなところも小心者を自認する所以でございますが、まぁ、それでも何だかんだリフレッシュさせていただきました。

 

出社日前日になったらなったで、ちゃんと復帰できんのかいな…と不安に襲われたりもしましたが、万全すぎるシミュレーションのおかげか何とか社会の荒波に食らいついている今日この頃です。

そんな中、さる週末、社会復帰の第1週目がめでたく、どうにか終了いたしました。

 

てなわけで、記念になんぞおいしいものでも頂こうじゃないかというなにかと理由つけて自分にご褒美モードが発動いたしまして、かねてより目をつけていた代々木公園近くに佇むイタリアンの名店、Ostu(オストゥ )さんに伺いました。

Ostu オストゥ
〒151-0053 東京都渋谷区代々木5-67-6 代々木松浦ビル1F
10,000円(平均)3,800円(ランチ平均)

 

渋谷からほど近いくせに閑静な住宅街である代々木公園駅周辺。それでもやっぱりどことなくおしゃれな雰囲気が好きでよく散歩するのですが、その時に見かけて以来ずっと気になっていたこちら。

 

今回の訪問を決めてから調べてみると、なんとミシュラン一ツ星の実力店とのこと。

 

グルメガイドの星の数に踊らされるのも馬鹿馬鹿しく感じつつも、自分の嗅覚と不特定多数の評価が一致すればなんとなく嬉しいのは人間の性ってやつでしょうか。

 

日本では聞きなれぬオストゥという店名は、ピエモンテ州の言葉でオステリア、すなわち日本語でいうところの食堂を意味する言葉に由来するそうです。

 

言うだけあって、シェフはピエモンテ州の名店にて修行されたとのことで、いやが応にも期待が高まりますね。

 

来店2日前に(食べログではない)某サイトを利用して2名分のディナーコースを予約。

月初の土曜日18時という些か読みづらい日時ながら、幸運にもなんとか席を確保できました。

 

実際に伺ってみると、開店直後にも関わらずテーブル席中心の店内は6割ほどがすでに埋まっておりました。

 

場所柄なのか、いずれのグループもいかにも裕福そう、かつ年齢層は高め。

私の拙い経験上、こうした客層のお店はえてして良店であることが多いため、ひとまずの安心を得たのでした。

 

こちらのディナーコースはアンティパスト、プリモピアット、セカンドピアット、デザートをそれぞれメニューから選べるプリフィクススタイル。

豊富なメニューに目移りする中、苦心の末にお願いしたお料理は以下の通り。

 

一応、ピエモンテ州以外の料理も用意されているのですが、せっかくなのでお店のおすすめに乗っかって、ピエモンテ縛りでキメてみました。

 

というわけで、まずはこちらもピエモンテスプマンテフランチャコルタドサッジョゼロで乾杯。

食前酒に泡を頂くと、胃がスッキリして食欲が湧いてきます。

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コースにおける先付けやアミューズってのは、全体に対する印象を左右するという点で非常に重要な存在だと思うのですが、突き出し的に供されるこちらのグリッシーニとパンは本当に美味しかった。まさに期待を膨らませてくれる、嬉しい存在でした。
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フォカッチャはフワフワフカフカで、口に含むと気持ちがいいです。

コースの進行中もパンは度々追加できるんですが、美味しいあまりついつい食べ過ぎて都合4つ行ってしまったのはまた別のお話…。
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スプマンテグリッシーニ、そしてパンに舌鼓を打っている間に、アンティパストが運ばれて参りました。

待ちに待ったコース本番の開始です。

 

■ヴェネト産ウサギ肉のインサラータ 秋トリュフ
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要するにウサギのサラダですが、日本人にも抵抗のない癖がなくさっぱりした味わいは、いわゆるラパン、家うさぎでしょうか。

 

一般にインサラータというと、安直にもヴィネガー、パルミジャーノ、オリーブオイルの味に支配されちゃうイメージないでしょうか。ありますよね。わたしはあります。

 

ところが今回頂いたこちらのインサラータ、ドレッシングの主張はむしろ控えめで、ナッツやイチジク、ザクロの穏やかな甘みを上手く利用しつつ、ともすると淡白すぎるウサギの旨味をしっかりと引き出しています。

結果的に、あっさりしているのにコクがある力強い味に仕上がっており、本当に美味しかった。

 

初っ端から巧みな食材使いを見せつけてくれる、嬉しい一皿でした。


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スプマンテが切れたってんで、思い切っておすすめのワインをボトルで頂きました。

グリニョリーノ モンフェッラート デル カサレーゼ(舌噛みそう)なる、ピエモンテはモンフェッラート地方のワイナリーで作られるワインとのこと。

 

果実味は強くなく、2013年という微ビンテージのおかげか酸味も穏やかなため、食べ物に合わせやすそうな印象。

どことなくスモーキーな風味もするあたり、珍しくも楽しいワインでした。

 

■フレッシュポルチーニのセモリナ粉フリット
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フレッシュのポルチーニに衣をつけてフリットにした、シンプル極まりない一品。

 

イタリアでパスタの材料に使われるセモリナ粉からなる衣はきめ細かく、サクサクした軽い口当たりでいくらでも頂けそうです。

 

ポルチーニに苦手意識を抱く日本人は多い、って以前聞いたことがあるけれど、こちらはフレッシュなので乾物ほどの強烈な癖はなく、むしろキノコ好きな日本人好みの味と感じます。

 

■タヤリン ヴェネト産サルシッチャのソース
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た、タヤリン?なんじゃらほいと思って聞くところによるとピエモンテを代表する手打ちパスタ、とのこと。

名前の響きからして、あのタリオリーニピエモンテ州で独自に発達したものと予想したとおり、形状は平打ちの細麺です。

 

パスタの種類ってのは膨大で、知らないものが出て来て当たり前って感じなのですが、このタヤリンの感触はそれでも衝撃でした。

 

あえて擬態語で表現すると、啜ればチュルチュルフワフワピロピロ、噛めばシャッキリという具合。(大丈夫か)

とにかくアルデンテとかそういう概念とは無縁の、強いて言うならアジアの米で作った麺のようにふんわりしているんですよね。

 

優しい感触のためか、サルシッチャをつかった塩味の強いソースが合わせられています。

主張の穏やかな麺の美味しさを濃厚なソースが引き出してくれていて、非常に均整のとれた一皿でした。

 

ただ、あまりに食べやすく一瞬でペロリしてしまったことが唯一惜しかったところ…。

(完全に八つ当たり)

 

■熟成カルナローリ米のベルジェーゼ風リゾット
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二品目には、イタリア原産のカルナローリ米を使った濃厚なリゾットをオーダーしました。

粒が日本のうるち米よりも大きく、感触はモチモチしていてソースがよく絡みます。

 

ベルジェーゼ、という単語の意味するところは不明ですが、赤玉葱のジャムを使って炊き上げたというこちら、存外にもコッテリしていて濃厚なお味。玉葱に徹底的に火を通したときのあの甘みのおかげで味が単調にならず、奥行きがあるんですよね。

 

メニューの字面からは想像し難い、意表をつくリゾットでした。

 

■国産牛ほほ肉のブラザート アル バローロ
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メインに相応しい、迫力のある一皿がやって参りました。

またもや日本語でOKって感じの料理名ですが、ブラザートはピエモンテ独自の煮込み料理の名称で、バローロは同産の赤ワインを意味するとのこと。すなわち、言ってしまえば牛ほほ肉の赤ワイン煮込みですね。

 

繊維の一つ一つがはっきりしている牛ほほ肉がナイフを入れただけでホロホロにほぐれるまでに柔らかく煮込まれております。

バローロのソースもこってり濃厚で、牛肉に合わせるには心強い存在感。

 

付け合わせはフレンチとは異なり、マッシュポテトではなくポレンタが添えられています。

トウモロコシの粉末を練り上げて作った北イタリアの名物ポレンタは、素朴ながら優しい甘さでむしろマッシュポテトよりもこの類の料理を上手くサポートしてくれる気がします。

 

■トルティーノ ディ ノッチョーラ ザバイオーネジェラート添え
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トルティーノ ディ ノッチョーラって三回言ってみて!って言ったら多分一回は噛む。

そんな名称に惹かれてデザートにはこちらをチョイス。

 

ノッチョーラってのはヘーゼルナッツを意味するイタリア語とのことで、平たく言えばキャラメルソースとヘーゼルナッツをタルト生地で包んで焼き上げたお菓子です。


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ナイフを入れると中身がトロリと溢れ出て、ビジュアル的にも絶対美味いやろコレ感満載。

タルト生地のサクサクした食感との対比がまた楽しく、最後まで飽きずにいただけるデザートでした。

 

個人的にはイタリア料理を頂いた時のドルチェの印象ってあまり残らないことが多いんですが、そんな中でとても印象的な一皿でした。

 

エスプレッソとミニャルディーズ
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ミニャルディーズすなわち食後の軽いお菓子は、ポレンタを焼き上げたもの、メレンゲを焼き上げたマカロンのようなお菓子、ヘーゼルナッツのチョコレートの三種類。

控えめな甘さのおかげで、本格的なエスプレッソの苦味がむしろ引き立って、口の中があくまでスッキリしたところで、有終の美と相成りました。

 

全体的に、本当に素敵なレストランでした。

ピエモンテ州のことなんて全然知らないけれど、なんだか現地のリストランテで食事をしたかのような気分に浸れます。

 

一皿一皿に手が込んでいて、安直な食材使いをしないところも非常に勉強になるお店でした。

 

個人的には是非リピートさせていただきたいお店ですね。

シェフによれば、これから秋が深まるにつれて、白トリュフも出てくるとのこと。

 

料理はリーズナブルな一方でワインは若干強気な価格設定だったりと、ぼくのようなペーペーはターゲットの外にありそうな気がしないでもないけれど、また秋が深まった頃に伺いたいと思います。

 

それでは、今回も駄文をお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 

グルメ

食べ歩き

東京グルメ

代々木公園

東京

 

【料理日記】アイナメ尽くしで酒盛りな夜

こんにちは。

 

今朝方、某朝の情報番組をみていると、食べログヤクザなるものが特集されておりました。

 

なんのこっちゃいという感じだけれども、なんでも食○ログだのぐるな○だの、飲食系SNSにおける表現の自由を盾に飲食店で傍若無人に振る舞う連中のことを指すスラングなんだとか。

 

行ったこともない店を酷評したり、店主の容姿を嘲るような物言いをしたりと、聞く限りにわかには信じがたいような振る舞いを見せるという食べログヤクザ

 

でもまあ、個人的な所感としては、こういうヤツいるんだろうなあと感じるのもまた事実。

というのも、たしかに腹立つ店や店員というのは確かにいて、悪口のひとつもボヤキたい気持ち、とてもワカルんですよね。

 

もはやSNSの特性上、主観的な意見が蔓延るのは避けられないと割り切って、一人一人が妄信的に食べログを鵜呑みにしてしまいがちな姿勢を改めて、参考程度に留められるようになるしかないんじゃないかなと思う今日この頃です。

 

ネガティブ陰キャ気質が災いしてついぞ厭世的になってしまいましたが、食べログ狂想曲はそろそろ終わりにして、人の意見をうまく取り入れつつ、好きなものだけを追い求められたら、それって素敵ですよね。

 

一方、一部グルメブログと化しかけている当ブログについては食べログじゃなくて個人ブログだから別に何言ってもオッケーじゃね?とかいうクラスのバカ男子がやらかしそうな揚げ足取りはせずに、伺ったお店および頂いた料理と食材のすべてに真摯に向き合ってまいりたい所存です。

 

決定を下すときに、「他の人はどう思うだろうか」ではなく「自分は自分自身をどう思うのか」と問うようにしましょう-トーマス・S・モンソン

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というわけで、時事ネタを絡めた決意表明および宣伝はこの辺にして、本日の主題に移りたいと思います。

 

始め方が始め方だけに外食日記もボロが出かねないってんで、今回は料理日記、それも過日のアイナメ尽くしパーリナイについて書いていきたいと思います。

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そもそもアイナメってのは、なかなか一般家庭の食卓に上がることは少ない、いわゆる高級魚に分類される磯魚です。

漢字表記はいくつかあって、鮎魚女、鮎並、愛魚女と、いずれもどこか艶かしいセクシーさが漂います。

 

平均的な全長は30〜40センチほどで、大きいものだとなんと60センチにも達するんだとか。

 

今回は訳あって青森を訪ねた折、魚を豊富に取り揃えているショッピングモールを訪れたところ、30センチ程度の新鮮なアイナメが1000円ちょっとで売られているのを発見したってんで、すかさず購入。

東京で買えば小売価格2000円はいくことを考えれば、とってもお得な出会いですね。

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ちなみに青森での呼び名はアブラメアイナメくださいって言っても絶妙に通じなくてひとしきり苦労したのは内緒

 

そんなアイナメを使って、今回作った料理はこちら。

 

例によって何と無く想像つくような料理ばかりにつき詳細レシピの説明は控えますが、ビジュアルと詳細は以下の通り。

 

アイナメの握り

アイナメの刺身

ミョウガの味噌焼き

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アイナメを三枚に下ろして、半身はまず握りと造りにしてみました。シンプルにわさび醤油でいただきます。

磯魚なのにいわゆる磯臭さはなく、スッキリしていて、適度に脂も乗っている…というより、白身にしてはトップクラスの脂の乗り具合。プリプリシコシコの歯応えと相まって、白身魚の醍醐味が味わえます。

 

なかなかにインパクトのある味わいということで、付け合わせには同じくインパクト重視でミョウガの味噌焼きを作ってみました。

 

半分に割ったミョウガに、味噌・みりん・砂糖・酒を混ぜて作った合わせ味噌を塗りつけて、オーブントースターで表面を焼くこと3分間。舌がリフレッシュされて、また新たな気持ちでアイナメが頂けますよ。

 

せっかくなので、お酒は青森は弘前市の銘酒・豊盃でいってみたいと思います。

地の魚には地のお酒、とはよく言ったもので、口に含むとアイナメの旨味が膨らんでうっとりもの。

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アイナメの山椒焼き
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ここでひとつ趣向を変えて、焼き物にいってみます。

アイナメは皮がうまい、というのはご存知の方も多いかと思いますが、刺身で頂くにはいささか分厚く固いので、山椒を混ぜた幽庵地に漬け込んで焼いてみました。

ちなみに幽庵地は、醤油:酒:味醂を1:1:1の割合で合わせて拵えております。

 

幸いにも皮パリパリで身はほっこり、という絶妙な焼き加減に仕上がったため、皮それ自体はもちろん、皮目と身肉の間の脂身も十分に味わえたのが嬉しいところ。

 

地に混ぜ込んだ山椒の香りが爽やかで、いくらでも食べられそうです。

豊盃を合わせてみると、ふくらみのある温か味を感じさせる風味がアイナメとドンピシャで、なんだかリッチな味わいです。

 

アイナメの造り スダチ

アイナメの握り スダチ

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と、ここで切り身が余ったので造りを追加。

先程は醤油でいただきましたが、今回は淡白な白身の味わいを活かすため、スダチ塩でいただきます。

 

今回のアイナメはなかなか脂が乗っていることもあり、ともするとダレてしまいそうなところですが、スダチの酸味のおかげで味が引き締まるとともに甘みも際立つので、より美味しくいただけますよ。

 

握りも同じく追加して、スダチ塩で食べてみる。

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スッキリとした味わいのもと頂けるのは刺身と同じくである一方、シャリと合わさるとアイナメの旨味がなぜか強く感ぜられます。

日本酒といい、握りといい、米の力の偉大さを思い知りますね。

 

 

いかがでしたでしょうか。

質の違いはあれど、お店で頂くのに比べれば驚くほど安く頂けたと思います。

 

たとえ高級魚でも、ノドグロみたいな桁外れのものを除けば、おうちで捌いてみれば意外と手が届くので、ぜひ試してみてくださいね。

 

料理ができると節約に繋がるだけでなく、料理にかかる手間も理解できるので、冒頭で述べたような食べログヤクザに堕ちることも防げるのではないでしょうか。

 

そんなことからも、当方に置きましては、今後も料理を頑張る皆様を応援してまいります。

 

謎の表明をしたところで、本日もお開きとさせていただきたいと存じます。

 

それでは、駄文をお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 

続く

 

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